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日本で初めてインパクト投資の運用原則にJICAが署名

東京、2019年8月26日―世界銀行グループの一員であるIFCは本日、国際協力機構(JICA)が、インパクト投資の画期的な新基準となるインパクト投資の運用原則(以下、運用原則)に署名したと発表しました。JICAは、日本で運用原則を採用する初の署名機関となり、同機構の民間企業等向けの海外投融資事業に関し運用原則を適用します。
2019年4月にIFC及び他のインパクト投資家とともに策定された運用原則は、インパクト投資において重要とされる規律や透明性、信頼性を市場にもたらすものです。同原則は、署名機関が、経済的利益だけでなく、投資によって得られる開発効果についても精査し、モニタリングすることを定めています。署名機関が独立した検証を行うことで、インパクト・ファンドの運用について高い透明性を担保し、投資家の信頼感を高める効果が期待できます。
投資戦略に持続的開発目標を考慮する投資家が増える中、インパクト投資は、貧困、多様性、教育、雇用や健康などのグローバル及び地域的な課題に対応しつつ、経済的利益も追及する方法の一つとして注目されつつあります。IFCの試算によると、インパクト投資市場は現在、総額8130億ドル と比較的小規模ではありますが、将来的には26兆ドル規模にまで成長する可能性があります。
「インパクト投資を通じて調達できる可能性のある数兆ドルは、世界の最も差し迫った開発ニーズに対処するための資金ギャップを埋められる可能性があります。JICAによる運用原則の採用が、インパクト投資をより主流へと押し上げ、ちょうど開催される第7回アフリカ開発会議に集う日本の企業や投資家に対してポジティブなメッセージとなる」とフィリップ・ル・ウェルーIFC長官は述べています。  
JICAは、運用原則に署名することで、途上国の経済成長、貧困削減、気候変動対策等に寄与する海外投融資の知見をIFCや他の署名機関に共有するとともに、他の日本の金融機関による運用原則の採択を促すことを期待しています。
「海外投融資は、実務上、本原則の趣旨を包含しており、JICAの採択を通じて、本原則の更なる発展のために、IFC及び他の採択機関に協力できると確信しております。今回、JICAが日本の機関として初めて採択することで、今後、日本の金融機関による採択が促されることを強く期待している。」と北岡伸一JICA理事長は述べています。
運用原則は、資産運用会社や投資銀行、開発機関を含む世界の主要なインパクト投資家の協力を得て策定され、この度のJICAの加盟により運用原則の署名機関は世界で合計69機関となります。
JICAについて
JICAは、国内外に100を超える拠点を有し、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、技術協力、円借款、海外投融資、無償資金協力等を通じて、開発途上国への国際協力を行っています。海外投融資業務は、開発途上地域等において、民間企業等が行う開発効果の高い事業を出資や融資により支えるものです。詳細についてはウェブサイトをご覧ください。https://www.jica.go.jp/
IFCについて
世界銀行グループの一員である国際金融公社(IFC)は、途上国の民間セクターに特化した世界最大の国際開発金融機関です。IFCが持つ資金力や専門知識を活かし、世界中に展開する2,000以上の民間企業との協働を通じて、世界で最も困難を抱える地域において市場と機会創出ための支援を行っています。途上国の貧困解消と繁栄の共有増進を図るべく、民間セクターの持てる力を活用し、2019年度は、途上国に約191億ドルの長期融資資金を提供しました。詳細についてはウェブサイトをご覧ください。 www.ifc.org
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1: 民間会社が運用するインパクト投資資金の710億ドルと開発機関が開発に向けて投資している7420億ドルの合計。出所: “Creating Impact: The promise of Impact Investing(www.ifc.org/creatingimpact) ” IFCが2019年4月に発行