ワシントンD.C.、2015年11月11日
–世界銀行は本日、IFC(国際金融公社)の次期長官にPhilippe Le Houérouを任命しました。Le Houérouはフランス国籍で、国際金融、開発、官民パートナーシップ、政策対話の分野において31年以上にわたる経験を持っています。IFCは世界銀行グループの一員で、民間セクター支援に特化した世界最大規模の国際開発金融機関です。
Le Houérouは現在、欧州復興開発銀行(EBRD)の政策・パートナーシップ担当副総裁を務めています。それ以前は世界銀行グループで長期にわたり功績を収め、2014年に辞職した時には南アジア地域担当副総裁を務めていました。
世界銀行グループ総裁のジム・ヨン・キムは、「Philippe Le Houérouが世界銀行グループに戻ってIFCを率いることになり、とても嬉しく思っています。彼ほどさまざまな地域で経験し、各地域の市場に関する知識を持つプロフェッショナルはほとんどいません。知性、経営、顧客対応、戦略といった多岐にわたるスキルをIFCにもたらしてくれるでしょう。彼が率いるチームは、発展途上国における雇用創出と経済成長につながる民間セクターへの投資を行い、貧困層や社会的弱者をはじめとするすべての人に利益をもたらすはずです。」と述べています。
Le Houérouは次のように述べています。
「世界銀行グループの使命の必要性を強く信じています。私にとって貧困との闘いにおける最も重要な要素は経済成長の促進で、その実現には民間セクターが大きく寄与します。IFCが民間セクターを支援することは、雇用創出、気候変動への取り組み、そして今私たちが直面している地球的規模の主要課題への取り組みにおいて極めて重要だと確信しています。これから数年間、IFCを指揮できるのはとても光栄です。」
Le Houérouは民間金融機関における勤務経験の後、世界銀行グループにヤング・プロフェッショナル・プログラムを通して入行し、IFCの東アジアでの投資事業などに携わりました。世界銀行グループを辞める直前には世界銀行南アジア地域担当副総裁を務め、融資の倍増や支出の改善を進めたほか、分析作業と政策対話の強化に重点を置いた新しい地域戦略を打ち立てました。それ以前は、世界銀行ヨーロッパ・中央アジア地域担当副総裁の任に当たり、世界金融危機における同地域の対応を指揮し、分析作業や助言業務を強化しました。一例として、同地域とユーロ圏の国々に対して主要政策課題に関する最新の知識を提供する画期的な有償助言サービスを始めたことが挙げられます。
Le Houérouが世界銀行で歴任した重要な役職には、譲許性融資・グローバルパートナーシップ担当副総裁、副総裁代理兼最高情報責任者(CIO)、融資・資源動員局長などがあります。また、マダガスカルでは現地事務所代表を務めました。
IFCは民間セクター支援に特化した世界最大規模の国際開発金融機関です。開発途上国の民間セクターへの投融資、国際金融市場での資金動員、企業と政府に対するアドバイザリー・サービスの提供を通じて、途上国が持続可能な成長を実現できるよう支援しています。2015年度のIFCの投資総額は約180億ドルに達し、民間セクターの力を活用して、雇用創出や様々な革新の後押し、世界における喫緊の開発課題への取り組みを進めています。
Le Houérouはフランス・モンペリエに生まれ、北アフリカとイタリアで育ちました。パリ政治学院で学んだ後、米コロンビア大学でMBA、パリ政治学院で国際経済学の博士号を取得しています。
世界銀行グループについて
世界銀行グループは、極度の貧困の撲滅と繁栄の共有の促進に向けた世界規模の取り組みにおいて中心的役割を果たしています。同グループは、国際復興開発銀行(IBRD)、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)、投資紛争解決国際センター(ICSID)の5つの機関から構成され、100カ国以上において活動し、各国が特に喫緊の開発課題に対応できるよう、財政支援や助言をはじめとするソリューションを提供しています。 詳細は世界銀行グループのウェブサイト(
www.worldbank.org
、
www.miga.org
、
www.ifc.org
)をご覧ください