ワシントンD.C.、2016年10月5日–世界銀行グループの一員であるIFC(国際金融公社)は、新興市場のインフラ近代化を目指す革新的なプログラムを立ち上げました。新興国の電気、水道、輸送、通信システム改善のため、今後5年間で世界中の機関投資家から5
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億ドルを調達して途上国に新たな資金の流れを呼び込むことを目指しています。
MCPPインフラストラクチャーと呼ばれるこのイニシアチブは、IFCの協調融資運用ポートフォリオ・プログラム(MCPP)の成功を受けて打ち出されました。MCPPは第三者である投資家がIFCのシニアローン・ポートフォリオに参加することを可能にするものです。第一段階では、中国人民銀行から受託した3
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億ドルがMCPPプログラムの下2年足らずで70のプロジェクトに充当されました。これは、大口の投資家にとって、IFCへ案件組成と一連の承認プロセスを委託することから利益が得られることを示すものです。
本プログラムの下、世界的な保険会社であるアリアンツ社(Allianz)と最初のパートナーシップを締結しました。本合意の下、同社は5億ドルを投資する意向です。この資金は、IFCが行う新興市場のインフラプロジェクトへの融資資金に動員されます。さらにIFCは、プルデンシャル生命保険のアジア地区の資産運用ビジネスを行うイーストスプリング・インベストメンツ社(Eastspring Investments)との間で5億ドルのコミットメントに向けた協議を進めています、また、アクサ生命保険(AXA)とも同様に5億ドルのコミットメントに向けた協議を行っています。
MCPPインフラストラクチャーは、新興国のインフラへのエクスポージャーを増やしたいと考える機関投資家のためにデザインされたものです。IFCはローン・ポートフォリオを組成・承認・管理し、このポートフォリオはIFC自身のインフラ・ポートフォリオを反映しています。本プログラムはパートナーとなった投資家との当初合意に基づき運営され、常にプラットフォーム全体のガバナンス体制に従います。
IFC長官のPhilippe Le Houérouは「近代的なインフラ整備は経済成長と豊かさの継続に欠かせません」と述べています。「このセクターではいまだ巨額の投資ギャップが存在しており、新興市場だけで年間数兆ドルにのぼります。MCPPインフラストラクチャーは開発の課題への大規模な資金供給ソリューション模索の突破口となるものです。これは、開発金融において資金規模を数十億単位からから数兆単位に動かすためのグローバルな取り組みの重要な一石です。」
アリアンツ社CEOであるOliver Bäteは次のように述べています。「我々は当社の活動が利益を生み、持続可能であることを確実にすべく行動します。コアビジネスを持続可能にすることで我々は長期的な価値を生み出します。IFCとのパートナーシップとインフラへの共同投資は、当社顧客の利益にかなうとともに優れた投資専門性を新興国の経済発展支援のために提供できる、完璧な実例です。」
スウェーデン国際開発協力庁(Sida)の協力の下、IFCは機関投資家が必要とするリスク・リターンを実現するため、一次的損失(first loss)に対する限定的保証を提供する方針です。
「Sidaによる保証機能が、途上国における持続可能なインフラ投資へ民間資本動員を促進するというモデルが完成しつつあります。今回の革新的なパートナーシップは、持続可能な開発目標を達成するために私たちがどのように協調できるかを示しています。」と、Sida長官代行であるMarie Ottossonは述べています。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC(国際金融公社)は、新興市場の民間セクター支援に特化した世界最大規模の国際開発金融機関です。IFCは世界2,000社以上の民間企業と協力し、過去60年間に培われた経験を下に最も必要とされている場所で機会を創出しています。2016年度は、IFCの有する資金、専門知識、影響力を行使し、民間セクターを支援し極度の貧困の撲滅と繁栄の共有という基本的役割を果たすため、途上国へのIFCの長期的投資は約190億米ドルに達しました。詳細についてはウェブサイト(www.ifc.org)をご覧下さい。
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