2017年6月29日 、ワシントン D.C
.-世界銀行グループの一員であるIFCとSMBCは、IFCのグローバル貿易流動性プログラム (GTLP)へ10億ドルを共同で拠出することを発表。本プログラムは、多くの銀行が貿易金融融資枠を縮小させている中、新興成長市場で不足している流動性を確保することを目的として、様々な課題が存する新興成長市場において、中小企業への与信限度額の増額やリスク管理、貿易振興を担う銀行を支援するために、必要な資金を提供する。
2016年3月に締結されたGTLP SMBCファシリティ(融資契約)における、第2トランシェとなる今回の契約により、3年間で最大70億米ドルの貿易金融向け融資の実行が期待される。対象となるポートフォリオの範囲はグローバルで、世界最貧困・脆弱な国々を含む約20ヶ国、約100行の信用状発行銀行が対象となる見通し。GTLPは、融資提供の極めて効果的な手段であり、特に融資を受けにくい輸出入業者向けに新興成長市場貿易のリスク回避と成長を促す銀行への支援に繋がる。
IFCの貿易・商品金融部門のグローバル・ヘッド(Global Head of Trade and Commodity Finance)であるHyung Ahnは、「貿易は、経済成長を成し遂げるために不可欠であり、新興成長市場における雇用創出と貧困削減に向けた原動力です。今回のプログラムに加えて我々は、貿易金融の分野においてSMBCと別の側面でも協働しています。世界で最も貧しい数ヶ国への貿易金融を浸透させるこの協働関係をさらに強固なものにすることが目的です。」と述べた。
SMBCトレードファイナンス営業部長(General Manager of Global Trade Finance Department at SMBC)である長谷川雅一氏は以下、コメントを述べた。「IFCと今回の契約を締結できたことを心より嬉しく思います。オリジネーションとディストリビューション業務を強化することは、弊行のグローバルな顧客の要望に持続的に応えていくにあたり、重要です。IFCとの協働を通じて、新興成長市場で増大するニーズを満たしていくために、我々のトレードファイナンス業務を強化していくことを目指しています。」
長年にわたりSMBCは、トレジャリー業務、シンジケーション、トレードファイナンス等においてIFCの卓越した協働相手となってきた。SMBCは、IFCのグローバル貿易金融プログラムのもとで最も積極的に活動している金融機関の一つであり、IFCによる協調融資Bローン・プログラムへの参加においても高い評価を受けている。
GTLPは本来、世界金融危機に対応するために2009年に設立され、それ以来、現在までに500億ドル以上の貿易を支える資金を供給し続けてきた。
GTLPは、IFCとSMBC等の商業銀行の取り組みを融合させるポートフォリオ型の貿易金融プログラムであり、新興成長市場での貿易金融への関与を迅速にサポートしている。このリスク共有モデルでIFCは、新興成長市場の銀行が発行した、適格性のある貿易金融債権をプールしたものを対象に、最大50%まで融資を実行。また、残額分は、最大50%まで本制度を利用する民間銀行が保有する。
SMBCについて:
SMBCは、広範囲なネットワークを持ち、国際的な存在感も高めつつある、日本屈指の商業銀行です。同行は米州、欧州、中東、アフリカ、アジア、オセアニアの38ヶ国に営業拠点を持ちます。2017年3月31日時点で同行の総資産は162兆2817億円であり、その47%にあたる75兆5,853億円が総貸付金です。同期末において、105兆5908億円が総預金、6兆275億円が株主資本の内訳となっています。SMBCはフィッチ格付けが「A」、スタンダード&プアーズ格付けが「A」、ムーディーズ格付けが「A1」となっています。詳細についてはウェブサイト(http://www.smbc.co.jp/global/)をご覧ください。
IFCについて:
世界銀行グループの一機関であるIFCは、途上国の民間セクターへの支援に特化した世界最大規模の国際金融機関です。世界の2,000以上の民間企業との協力を通じて、IFCは、資金、専門知識、影響力を行使することで、極度の貧困を撲滅し、繁栄の共有を促進できるようにするための支援を行っています。2016年度には、途上国の人々の生活向上と世界でも緊急な開発課題への取り組みにおいて約190億ドルの資金を提供しました。詳細についてはウェブサイト(
www.ifc.org
)をご覧ください。