ニューヨーク、2017年7月24日
-国連開発計画(UNDP)、国際金融公社(IFC)、国際石油産業環境保全連盟(IPIECA)は、国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)に併せて開催されたSDGビジネスフォーラムで、共同報告書「SDGsに対する石油・天然ガス産業の取り組みのマッピング:アトラス」を新たに発表しました。
本報告書は、17項目の持続可能な開発目標(SDGs)全てに対して、石油・天然ガス産業がいかに関わり、貢献できるかを伝える内容となっています。具体的には、石油・天然ガス産業の企業が各目標の実現に向けて、いかにSDGsをコアビジネスに取り入れ、ステークホルダーと協力し、同セクターの経験とリソースを最大活用できるかを解説しています。
UNDPの持続可能な開発担当ディレクターであるNik Sekhran氏は、今回の報告書について次のように述べています。「SDGsの達成において、民間セクターが極めて重要な役割を果たします。このアトラスでは、石油・天然ガス産業が、社会的、経済的利益を世界の人々と広く共有し、環境に与える影響を最小限に抑えるために、いかに行動に移せるか、実用的な提言と事例を提供しています。」
Sekhran氏はさらに、「UNDPは、IPIECA、IFCと共同でこの報告書を発表できたことを嬉しく思っており、今後、石油や天然ガス資源が豊富な国々のSDGs実現に向けて、関係者との対話、協力に活用していくことを楽しみにしています」と述べています。
このアトラスは、持続可能な開発における石油・天然ガス産業の優れた実例と、既存の知識、リソースを示すことで、同セクターが重要なステークホルダーとしての役割と責任を通じて、SDGsの達成のため、いかに最も効果的に協力、貢献できるかを解説しています。
IFCのインフラ・天然資源部門のグローバルディレクターであるBernard Sheahanは、今回の発表について次のように話しています。「SDGsは、皆が協力して取り組む意欲的で国際的なアジェンダです。目標の達成には、すべての産業において、産業内はもちろん、その枠を超えたパートナーシップと協力が必要になります。今回、石油・天然ガス産業とSDGsの関係をマッピングすることで、クライアントやパートナー企業が、この目標をビジネス、事業の中にさらに取り入れ、新しく革新的な方法で世界の発展に貢献する後押しができればと願っています。」
また、IPIECAの常任理事Brian Sullivan氏は、次のように述べました。「企業がSDGsの枠組みに同調して事業を進めるようになるにつれ、このアトラスは役立つツールになると確信しています。今後、石油・天然ガス産業が持続可能な開発に対する貢献の形を考え、実行する際の柱となるのが、SDGsなのです。」
今回UNDPは、IFC、IPIECA(石油・天然ガス産業の社会的、環境的な課題に対応する国際組織)と共に、1年以上かけて本報告書の作成に力を合わせて取り組んできました。報告内容には、石油・天然ガス産業(IPIECAメンバー企業および他業界団体)のほか、市民社会団体、学会、国際機関など幅広い世界の方々と話す機会を設け、そこから得た情報を含め、全体をまとめています。
国連開発計画(UNDP)について
UNDPは、社会のすべての層の人々と手を結び、危機を耐え抜き、世界中の人々の生活水準が向上するよう成長を生み出し、維持できる国づくりに協力しています。世界約170の国と地域で活動をしており、グローバルな視点と地域に根ざした見地の両面から、人々の生活に活力を与え、屈強な国家を築く支援をしています。詳細についてはウェブサイト(
www.undp.org
)をご覧ください。
国際石油産業環境保全連盟(IPIECA)について:
「IPIECAは、石油・天然ガス産業の環境、社会問題に対応する国際団体連盟です。石油・天然ガス産業が環境、社会へ与える効果を向上させ、メンバー企業の優れた行動、知識を啓発、共有、促進し、国連とのコミュニケーションチャンネルの機能を果たす団体です。メンバー企業主導によるワーキンググループや、役員のリーダーシップによって、石油・天然ガスの企業や関係団体の専門的技術と知識をまとめています。その独特な立場から、重要な環境、社会問題に対して、メンバー企業が効果的に対応できるよう社会に貢献しています。詳細についてはウェブサイト(
www.ipieca.org
)をご覧ください。