2018年12月21日 セルビア、ベオグラード
世界銀行グループの一員であるIFCは、ベオグラード・ニコラ・テスラ空港の運営会社として新たに選定されたVINCI Airports Serbia社(VINCI Airports SASの子会社)に対し、1億8,200万ユーロの融資パッケージを提供します。運営会社はベオグラード・ニコラ・テスラ空港の開発・改修を行い、セルビアの観光産業および運輸産業の振興を促進し、経済成長に寄与する見込みです。
VINCI Airports SASは、世界で有数の規模の空港運営会社で、フランスVINCI SAグループの一員でもあり、公開競合入札を経て1月に空港開発運営権を獲得しました。25年契約には空港の改修・拡張、運営維持管理に関する資金調達が含まれ、コンセッション契約完了時には空港利用者数が約3倍に増加する見込みです。
IFCの融資パッケージには、7,200万ユーロの A ローン(自己勘定)と1億1000万ユーロの B ローン(協調融資)が含まれます。
欧州復興開発銀行(EBRD)も同額のAローン、Bローンを提供します。IFC、EBRD、Deutsche Investitions- und Entwicklungsgesellschaft (DEG)とSociete de Promotion et de Participation pour la Cooperation Economique SA (Proparco)の4行が本プロジェクトのリード・アレンジャーを務めました。IFCとEBRDのBローンには商業銀行6行(Banca IMI, Unicredit, Erste Group, Kommunalkredit, CIC and Societe General)が参加しています。
IFCの中央・南東ヨーロッパ地域担当マネジャーであるThomas Lubeckは次のように述べています。「全ての関係者にとってニコラ・テスラ空港が最も効果的に活用されるよう、空港運営のグローバルリーダーのセルビア市場参入を支援できることを嬉しく思います。本プロジェクトは、セルビア国内初の空港コンセッション案件であり、民間セクターがいかに地域インフラにより効率的なソリューションを提供できるかを示すモデルとなることを願っています。」
本プロジェクトは、IFCの直近の新興国における空港への投融資の一環であり、観光産業の振興を含め経済成長へ寄与することが見込まれます。IFCは2005年以来、世界中の空港事業プロジェクトに21 億ドル以上を自己勘定投資および資金動員を通して提供してきました。
IFCのインフラストラクチャー・天然資源部門地域担当シニア・マネジャーであるCheryl Edleson Hanwayは次のように述べています。「IFCは、VINCIへの支援を通してセルビアにグローバルな空港運営の知見を提供でき、嬉しく思います。また、この画期的なプロジェクトが同地域で成功したインフラ民営化案件となり、他の地域でも同様の方法に従って空港のコンセッションが可能となることを願います。」
本プロジェクトの総コストは約9億8200万ユーロと見込まれており、セルビア政府への5億10万ユーロの事業運営権、3億8000万ユーロの設備投資・開発費を含みます。空港機能の向上により、年間空港利用者数は2017年の530万人から、2043年(コンセッション契約終了時)には1400万人以上まで増加することが期待されています。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFCは、途上国の民間セクターに特化した世界最大の国際開発金融機関です。世界の2,000以上の民間企業との協働を通じて、IFCは、資金、専門知識、を駆使することで、世界の最も困難な地域において市場を拓き、機会を創るための支援を行っています。2017年度には、途上国の人々の貧困解消と繁栄の共有増進を図る民間セクターへの助力のために約193億ドルの長期融資資金を提供しました。詳細についてはウェブサイト(
www.ifc.org
)をご覧ください
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