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インパクト投資、コロナ危機下でも継続的に増加

ワシントンD.C.、2020年6月5日 -世界銀行グループの一員である国際金融公社(IFC)は、新型コロナウィルス感染症の拡大による世界的な景気後退の局面においても、インパクト投資市場は引き続き投資家を惹きつけると分析しています。
IFCが発表した最新の報告書「 Growing Impact—New Insights into the Practice of Impact Investing によると、インパクト投資の市場規模は2.1兆ドルと未だ相対的に小さく、これはIFCが適切な投資機会があれば26兆ドルの需要があると一年前に試算していた規模のわずか1割程度となっています。
フィリップ・ル・ウェルーIFC長官は、「より責任ある資本主義への需要は高まっている。現在の危機によって、公平性や持続可能性が重要視されるようになり、雇用、ジェンダーの平等、環境保護への投資需要を加速させる可能性がある。これらの重要な価値観は長期的な経済的リターンの継続を可能にする」と述べています。
インパクト投資は、今後数年間、流動性の減少やリスク回避、広範囲に及ぶ経済的な混乱といった逆風にさらされ、ひいては多くの開発効果の高い企業の存続を脅かすことになります。
約100の署名機関
インパクト投資とその他の持続可能な責任投資との明確な違いを示す『インパクト投資の運用原則(以下、運用原則)』の導入から1年を経て、同報告書は署名機関の最新の取組みも紹介しています。現在、総計97の機関投資家が運用原則に署名しており、本年は19機関、運用原則が導入された2019年4月以降は39の新たな署名機関が加わりました。
署名機関は多岐にわたり、5大陸26か国から参加しており、直近では、メキシコ、日本、アラブ首長国連邦などの国々の投資家が署名機関に加わりました。新規の署名機関には、BlackRockなどの大手資産運用会社も含まれます。
同報告書によると、インパクト投資ファンドは、他の投資ファンドよりも新興市場への投資に重点を置き、資金の30%を新興市場のプロジェクトに投資しているのに対し、従来のファンドは20%程度となっています。経済的包摂に関する投資が最も大きな割合を占め、続いて、環境に優しいまたは持続可能なテクノロジーや製品、エネルギーまたはエネルギー効率、そして農業及び食品加工となっています。
深く広がるムーブメント
署名機関は、投資家が投資ファンドや金融機関のインパクト効果を横断的に比較できるように、インパクト評価測定システムにおける主要な測定基準の共通化に取り組んでいます。過去6か月間で、9割以上の主要な評価測定の枠組みにおける指標が一致し、インパクト投資市場の拡大に重要な一歩となりました。
署名機関は毎年、運用原則と各機関のインパクト投資の運用システムの整合性に関する開示が義務付けられており、定期的に独立した検証を行う必要があります。多くの投資家は、運用するインパクト資産の開示は今年が初めてとなります。
署名機関は、自主的にコミュニティを組織して、ベスト・プラクティスと業界標準を形成するために経験を共有し、インパクト投資に関する規律への関心の喚起と普及に取り組んでいます。
本報告書は、幅広い資産運用会社や開発金融機関に対し、規律のあるインパクト投資の運用を呼びかけ、大規模なインパクト投資のさらなる機会創出を推奨するとともに、投資家にインパクトの評価測定をさらに深めるよう奨励するものです。
IFCについて
世界銀行の姉妹組織であり、世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。IFCは、世界100カ国以上で資金、専門知識そして影響力を駆使することで、途上国において市場と機会を創出するための支援を行っています。極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、IFCは民間資金を最大限活用し、2019年度は途上国の民間企業と金融機関に対し190億ドル以上の投融資を行いました。詳細は www.ifc.org をご覧ください。