ベトナム、ハノイ、
2017
年
12
月
19
日
‐世界銀行グループの一員である
IFC
と「
1
万人の女性」プログラムを推進しているゴールドマンサックスは、中小零細企業への融資を促進するため、アンビン商業銀行
(An Binh Commercial Joint Stock Bank)
へ
1
億
1,000
万ドルのシニアローンを協調融資することを発表しました。これは
IFC
が同行に行う最大
1
億
5,000
万ドル融資パッケージの第一段階として行われる融資であり、このうち少なくとも三分の一以上は女性が経営する企業への支援に活用される見込みです。
この融資を通じ、アンビン商業銀行は
5
年間で中小企業のポートフォリオを従来の
3
倍、女性が経営するの中小企業の数を
4
倍にすることを目標に掲げています。この画期的な中小零細企業を対象とするポートフォリオは
2021
年までに
10
億ドル以上まで伸びると推測されています。
ベトナムの経済成長が続く中、中小零細企業への長期融資は重大な課題です。同国の事業全体において中小零細企業は
98
%以上の割合を占め、雇用の
50
%を占めている一方、正規の金融サービスへのアクセスを持つ登録中小企業はわずか
30
%にとどまります。更に、
IFC
の新たな調査によると、女性が経営する中小企業が銀行に融資を得ることはより困難で、その金額の格差は
1
年あたり
12
億ドルに及びます。
「
IFC
と提携銀行による協調融資は、同行の中小零細企業や女性起業家のポートフォリオを強化し、将来的に同行がこの分野においてリーダーシップを執ることに寄与するでしょう」とアンビン商業銀行代表は述べます。「またこの融資は、アンビン商業銀行が国際的な投資家よりさらに多様な財源から長期的融資を受けられることを可能にします。」
この
1
億
5,000
万ドルの融資パッケージの内、
IFC
は
4,000
万ドルを自己勘定から提供し、
7,000
万ドルを中国工商銀行(
Industrial and Commercial Bank of China Limited, ICBC)
、バンコク銀行(
Bangkok Bank Public Company Limited
)、メイバンク(
Maybank International Ltd.
)から、そして残りの
4,000
万ドルは今月中に他
2
つの国際的金融機関から融資契約を受ける予定となっています。
具体的には、女性起業家機会改善ファシリティ
(Women Entrepreneurs Opportunity Facility
、
WEOF)
の貢献により、融資の最低
30
%に相当する
4,500
万ドルは女性の経営する中小企業の事業に限定し割り当てられる予定です。
WEOF
は女性起業家の資金へのアクセスを拡大させることに献身するグローバルな機関であり、約
2,850
億ドル相当と推定される世界中の女性経営企業が被る貸付額の格差を埋めることを目標としています。
IFC
の女性向け金融プログラムとゴールドマン・サックスの「
1
万人の女性」イニシアティブのパートナーシップにより
2014
年に設立されたこの
WEOF
は、女性が経営する事業の資金アクセスを劇的にに拡大させることを目指し、設立当初より女性起業家への融資を加速させるため、
15
ヵ国の金融機関において
9,000
万ドルに及ぶ融資を続けてきました。
「ゴールドマンサックスによる調査は、新興市場における中小企業の女性経営者に対する貸付額の格差を取り除くことで、
2030
年までに一人当たりの収入を
12
%押し上げられる可能性があること示しています」と「
1
万人の女性」のヘッドである
Charlotte Keenan
は述べました。「この融資の結果、女性起業家は真に可能性を発揮できベトナムの発展に寄与することができるでしょう。このパートナーシップを通じ、我々は強靭性を育み、女性が事業を経営することをサポートし、女性起業家が本来の可能性を十分に発揮するための必要な資金や支援を提供します。」
「個々に特化された商品、適切なオファー、正しいマーケティングが揃えば、このプロジェクトによって女性が経営する中小企業は、実現可能なビジネス・チャンスとして発展することができるでしょう。」と
IFC
のベトナム、カンボジア、ラオスのカントリー・マネジャーである
Kyle Kelhofer
は述べます。「このプロジェクトによって、ベトナム内部の他の金融業者がマーケットの同分野において金融製品を拡大させる弾みを生むことになるでしょう。この動きは後に、女性が経営する中小企業の発展に寄与することとなり、結果として雇用を創出し賃金上昇につながります。」
IFC
は
2009
年グローバル・トレード・ファイナンス・プログラムの条件のもと信用供与を提供しており、
2013
年からはアンビン商業銀行の外国投資機関として
10
%の株式を保有しています。出資に伴い、
IFC
は過去
5
年間にわたり同行のコーポレート・ガバナンスの強化や、中小企業への銀行業務のキャパシティを高める支援を続けてきました。今後、
IFC
はアンビン商業銀行の女性起業家支援に関わる価値提案をセグメント化し発展させ、そして強化するアドバイザリー業務を継続していく予定です。
IFC
について
世界銀行グループの姉妹機関である
IFC
は、途上国の民間セクターに特化した世界最大の国際開発金融機関です。世界の
2,000
以上の民間企業との協働を通じて、
IFC
は、資金、専門知識、影響力を駆使することで、極度の貧困を撲滅し、繁栄の共有を促進するよう支援を行っています。
2017
年度には、途上国の人々の生活向上と世界でも緊急な開発課題への取り組みにおいて約
193
億ドルの資金を提供しました。詳細についてはウェブサイト(
www.ifc.org
)をご覧ください。