シンガポール、
2015
年
10
月
27
日
-
50
年前、シンガポールは、国内のインフラ開発、雇用の創出、さらには迅速かつ持続的に成長することを渇望していた新興国家でした。今では人口
550
万人を超える都市国家として、世界における貿易および金融のセンターとして、開発途上の国々や都市のお手本となっています。
シンガポールが世界銀行のインフラ投資の借入国から、国際的な金融センター、貿易ハブへ転換を果たしたことが、世界銀行グループがシンガポール事務所を拡大し、グループ初となるインフラ整備・都市開発ハブをシンガポールに開設した大きな理由です。
世界銀行グループがインフラ整備・都市開発ハブにシンガポールを選んだのは、以下の3点に拠ります。シンガポールがアジア地域のビジネスおよび貿易のセンターとして固有な役割を果たしていること、世界の資本市場において強固な地位を確立していること、最後に驚異的な発展を遂げたことです。
アクセル・ヴァン・トロッツェンバーグ世界銀行東アジア大洋州地域総局副総裁
は次のように述べています。「世界の経済活動の中心は、ますます東アジアへと引き寄せられており、シンガポールの役割は今後さらに重要になり、新興・開発途上国経済に非常に大きな機会を提供します。世界銀行グループはこの機を捉え、今後開発途上国に重要な波及効果をもたらせるよう、強力なパートナーシップを築いていきたいと考えています。」
拡大するハブの運営のため、今後
2
年間にわたって世界銀行、国際金融公社(
IFC
)および多国間投資保証機関(
MIGA
)から
200
人以上が動員され、グローバルレベルでサービスを提供します。世銀グループの公共セクター面の業務には、エネルギー・採取産業、水、運輸、情報通信技術、官民パートナーシップ、貿易・競争力、都市開発、およびグローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(
GIF
)を専門とする各部門のチームが携わる予定です。
カイル・ピータース世界銀行業務担当上級副総裁
は次のように述べています。「世界銀行グループ初のグローバルインフラおよび都市開発ハブ創設に向けたシンガポール政府との協定は、持続可能なインフラおよび都市開発が、経済成長の促進、貧困層の生活の質の改善、より公平な繁栄のための機会構築に不可欠であるとの両者の信念の下に成されました。」
ハブでは補完的な業務として、世界銀行グループの民間部門担当機関である
IFC
および
MIGA
が提供する投資、助言、その他の商品にも重点を置く予定です。
ジンドン・フア
IFC
財務担当副総裁
は次のように述べています。「世界銀行グループは世界の資本市場におけるシンガポールの地位を活用し、アジアにおける財務ハブを設立、
IFC
アセット・マネジメント社がシンガポールから管理するファンド件数を拡大し、また、
IFC
の投資および助言チームを発展させ、インフラ投資を拡大、ベンチャーキャピタルチームや技術チーム、その他のセクターを包括的にサポートできるようにします。」
インフラ投資を経済成長および繁栄の向上のための生産性の高いアセットに転換するシンガポールの能力、さらに持続可能な都市計画を実行する能力は、多くの開発途上の都市や国のお手本となっています。
シンガポールは
1963
年から
1975
年にかけて、世界銀行から
14
件の融資を受けました。初期の融資対象は、シンガポール港の深海ターミナル、シンガポールのエネルギー容量倍増化、およびシンガポールとマレーシアを結ぶ水道管の建設などです。
その後の融資は、環境および洪水管理、電気通信システム、シンガポール開発銀行(現
DBS
銀行)の資本注入、他大学のシンガポール国立大学への統合などを対象として行われました。
シンガポールの
インドラニー・ラジャ財務・法務担当上級国務大臣
は
10
月
27
日、シンガポールにおける世界銀行グループの事務所拡大に向けた、世界銀行とシンガポール政府の協定署名に立ち会い、次のように述べています。「シンガポールハブの次の段階は、より強く、より有意義な形で、世界銀行の機能にシンガポールの強みと開発の経験を統合させていくことです。世界銀行グループはシンガポールの企業および調査研究のエコシステムと連携協力し、この地域、さらには他の地域の開発途上国のためのソリューションの範囲を拡大することができます。」
カリン・フィンケルストン
MIGA
最高執行責任者(
COO
)兼副総裁
は次のように述べています。「現在、開発途上国に向けた投資を支援するために利用できる金融商品が大きく多様化し、とりわけ民間資金の役割が重要となっています。
MIGA
ではシンガポールで扱う保険商品、保証およびその他リスク商品の利用において革新を続け、より多くの民間資金を動員し、インフラファイナンスのギャップを埋める手助けをしていきます。」
現在、新興・開発途上国経済において、貿易と生産性の促進、雇用の提供、人々の暮らしの改善につながるような、市場や基本的なサービスへのアクセスを確保するためには、質の高い持続可能なインフラに対する民間投資の動員がきわめて重要です。
より多くのインフラ投資が至急必要です。世界中の
11
億人以上が安定した電力供給がない中で暮らしており、
6
億
6,000
万人が安全な飲料水にアクセスすることができない状態です。また、農村コミュニティの少なくとも
3
分の
1
が道路へのアクセスが限られています。こうした乏しいインフラがコミュニティ、国、企業の競争力を損ない、経済成長を阻害しています。
その一方で、アジア太平洋地域その他の地域の都市部は、経済が転換し機会があるところへと人々が移動しているため、成長しています。すべての人々、特に貧困層と最も脆弱な住民に繁栄をもたらす、持続可能な経済成長を実現するためには、急速な都市化に対応するための適切な計画策定が不可欠です。
世界銀行グループおよびシンガポール政府合同発表
詳細については以下にお問い合わせください。
Lai Choon How
(シンガポール政府財務省コーポレートコミュニケーション上級職員)、