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南アジアにおける環境配慮型の投資機会:3兆4千憶米ドル相当とIFCの分析が示唆

インド、ニューデリ、2017年11月29日 - 世界銀行グループの一員であるIFCは、本日付の「南アジアの環境投資機会」のレポートにおいて、パリ協定で掲げられた気候変動に対する目標達成を目指した市街整備やインフラ分野における大掛かりな計画は、3兆4千憶米ドルに相当する投資の機会となることを指摘しました。
二酸化炭素の合計排出量が世界の7.38%を占めるバングラデシュ、ブータン、インド、モルディブ、ネパール、スリランカの国々では、再生可能エネルギー、輸送、環境配慮型建物、都市水代謝システム、環境配慮型農業、都市廃棄物をはじめとした分野に対する環境配慮型投資への機会は膨大にあるにもかかわらず未開拓のままです。このレポートによると、投資機会はインドのみで3兆1千億米ドルも存在し、バングラデッシュでは1,720億米ドル、ブータンにおいては420億米ドル、モルディブに20億米ドル、ネパールに420億米ドル、そしてスリランカには180億米ドル存在することが示されています。
「南アジア諸国がこれら環境投資の機会を活用するためには、それぞれの分野に積極的に関与している民間セクターとの協働により可能となるでしょう」とIFC長官のフィリップ・ル・ウェルーは述べます。「我々もまた、主要分野における環境ビジネスの市場開拓を行っていく、包括的なアプローチが必要となっています。つまり、必要な政策の枠組みを整備し、競争力を促進させ、新しい市場開拓のための能力・技術力強化を図る準備を整えることです。
気候変動による事業資産やサプライチェーン、事業中断への影響は、すでに南アジア地域の企業にとり深刻な懸念材料となっています。大気汚染への取り組みの緊急性が増しているという懸念も加わり、既存の投資収益力を十分に利用しながらも、早期取り組みの必要性が高まっています。
南アジア地域では近年、クリーンエネルギーやエネルギー効率性などの分野において投資が急増しており、開発の著しい発展に寄与しています。IFCのレポートによると、今後さらなる成長が期待される2つの分野が強調されています。一つはグリーン・ビルディング分野で、急激な都市化によってもたらされる投資収益力は、2018年から2030年までに南アジア全体において合計1兆5千億米ドル以上に及びます。またもう一つは、環境に負荷をかけない輸送インフラや電気自動車の分野であり、2030年までに9,500億ドル以上の機会を創出します。これらの投資は市場へのアクセスを提供し、貿易を可能にし、流動性を確保することによってさらなる利益を生み、ひいては経済成長と民間投資を刺激することになります。
レポートには、同地域におけるその他の著しい投資機会の例が挙げられています。
·         インド:再生可能エネルギーと電気自動車― 2022年までに175GWもの再生可能エネルギーを創出するという国家計画により、4,480億ドルの投資収益力が見込まれています。この計画は、2030年までの新車の売り上げを全て電気自動車によるものとするインドの目標達成に非常に重要であり、この目標が完全に達成される場合6,700億ドルの投資機会を産出します。
·         バングラデシュ:環境配慮型の都市排水と農業― 政府による排水インフラ整備の優先化計画によって、130億ドルの投資機会が見込まれます。また、環境配慮型農業は90億ドルの投資に匹敵すると見込まれています。
·         ブータン:水力発電と電動交通手段― 25,000MWに及ぶブータンの経済的に実現可能性のある水力発電を開拓することは、400億米ドルを超える投資機会を創出します。政府の野心的な電動自動車目標は、実現すれば同セクターにおける3,200億ドル超のに匹敵する投資の可能性を生み出します。
·         モルディブ:環境配慮型インフラ整備― 海面上昇や異常気象に対処するモルディブのインフラ整備目標は、2030年までに最低15億ドルの輸送関連インフラと2億ドルのグリーン・ビルディングセクターにおける投資機会につながります。
·         ネパール:水力発電・環境配慮型農業― ネパールの目標は12,000MWものキャパシティーをもつ水力発電を導入することで、その投資は225億米ドル相当に及びます。政府方針により同国内農業セクターは高効率技術の利用をはじめ環境配慮型への移行が推進され、48億ドルの投資機会が示されています。
·         スリランカ:自治体による固形廃棄物管理と環境配慮型都市排水― スリランカの国家政策は固形廃棄物管理の需要を認識し、同セクターへの35億ドルの投資機会を創出します。主要優先事項である排水管理も、27億ドルを超える投資機会を開きます。
同地域の国々はパリ協定を履行する上で先導に立っています。それら南アジアにおける事業の進展を数値化しそれを再現するには、政策や金融改革、現況に即したセクターごとに特化したビジネスモデルの中において私的資金を投入し、環境ビジネスのための市場を開拓する必要があります。このレポートは、商業化や認知向上を示唆する実証プロジェクトについて言及し、また調達やプロセスの合理化を進める上で官民連携を推進させ、各国がどのように環境配慮型投資を加速させることができるのかを提案しています。
IFCは同地域の民間セクター支援に献身的に取り組んでいます。2005年から、IFCは同地域の環境配慮型事業において自己資金260億米ドルを用いて長期融資を行い、また約10億米ドルを投資家から動員し追加的金融支援を行いました。このレポートは今月出版の Creating Market in Climate Business の追従レポートです。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFCは、途上国の民間セクターに特化した世界最大の国際開発金融機関です。世界の2,000以上の民間企業との協働を通じて、IFCは、資金、専門知識、影響力を駆使することで、極度の貧困を撲滅し、繁栄の共有を促進するよう支援を行っています。2017年度には、途上国の人々の生活向上と世界でも緊急な開発課題への取り組みにおいて約193億ドルの資金を提供しました。詳細についてはウェブサイト( www.ifc.org )をご覧ください。